【購入前に必読】モニターの選び方

在宅勤務や副業のためにモニター購入を検討れている方向けに、モニターの選び方をイチから徹底解説します。

まず初めに、モニター(画面)とは

モニター(画面)とは「色のついた点の集まり」です。
下の図は「が」と表示された画面を超拡大したものです。
よく見ると「赤、緑、青」の3色が見えますね。この赤、緑、青1つ1つをサブピクセルと言います。そして、この3色のまとまり1つを「1画素(1ピクセル)」と言います。モニターにはこの3色のまとまり=1画素が無数に並んでいます。

”解像度”とは

モニターは、画素(ピクセル)と呼ばれる点の集まりです。そしてこの画素1つ1つに色を映し出すことで目的の画像を映し出す装置なのです。

では、例えば画素数の違う3種類のモニターで『♡(ハートマーク)』を表現すると、どうなるでしょうか。

100画素のモニターではおそらく誰もハートマークだと判別できないと思われます。
400画素になると、ほとんどの人がハートマークだとわかるレベルになり、
1,600画素になるとかなりなめらかに感じるのではないでしょうか。

このように、モニターの大きさが同じ場合、画素数が多いほどモニターは「なめらかな画像=精細な画像」を映し出すことができます。この画素数がいわゆる「解像度」と呼ばれるものです。

フルHD?4K?解像度の違いによるモニターの名前

解像度が高ければ、より画像がなめらかになります。モニターには解像度に応じて以下の通り、一般的な呼び方があります。

名称解像度特徴
フルHD1920×1080 アスペクト比16:9
現在の主流。様々なサイズのモニターがある
WUXGA1920×1200アスペクト比16:10
フルHDよりも少しだけ縦長
WQHD2560×1440アスペクト比16:9
フルHDと4Kの中間
WQXGA2560×1600アスペクト比16:10
WQHDよりも少しだけ縦長
UWQHD3440×1440アスペクト比21:9
ウルトラスーパーワイドディスプレイとも
4K3840×2160アスペクト比16:9
27インチ以上の大型モニターに多い

最も一般的なのがフルHDと呼ばれる(フルハイビジョンとも言う)
横1,920画素×縦1,080画素=合計2,073,600(約207万)画素のモニターです。

ちなみに4Kモニターとは
横3,840画素×2,160画素=合計8,294,400(約829万)画素のモニターです。
#4Kという名前の由来は「横に約4,000個の画素が並んでいる」ことから名付けられたと言われています

先ほどのハートマークからも分かる通り、同じ大きさのモニターであれば、

フルHDと4Kのモニターでは、およそ4倍も画素数が異なるため、4Kモニターの方が精細な映像を映し出すことが可能ということになります。

モニターの種類について

次はモニターの主要なタイプについて説明します。
2020年現在、主要なモニターは液晶ディスプレイと呼ばれるLCDと、
有機ELと呼ばれるOLEDの2種類あります。それぞれの特徴は以下の通り。

LCD=Liquid Crystal Display(液晶ディスプレイ)

液晶、カラーフィルター、バックライトで構成されます。背面から白色発光のLEDバックライトでパネル全体を均一に照らしています。

光の量は液晶を使って調整します。

色はカラーフィルタで制御します。

【特徴】
技術が確立しており、安価な物も含め種類が豊富。

OLED=Organic LED Display(有機ELディスプレイ)

自発光素子で画素を構成するディスプレイです。簡単に言うと「赤、緑、青」に発光する「有機化合物でできたLED」でディスプレイを作っています。LEDは電流を流すと自ら光り、流す電流の量を変えることで発光する強さの調整も可能になります。

【特徴】

最大の特徴は、LCDに比べ、黒色の表現が豊かな点です。LCDはバックライトが全面を照らしているため、どうしても光が漏れることから「完全な黒色」ではなく、少しだけグレーがかった黒色になりますが、OLEDは黒を表現する際、LEDを点灯させないため、「真の黒」を表現できます。この技術は映画などの暗いシーンでその差が出やすいと言われます。

ただし、その分LCDよりも高額になる点がネックです。

LCD(液晶ディスプレイ)の種類について

LCDは光の透過率を決定する「液晶」の駆動方式の違い(つまり光を通す仕組みの違い)により3つに大別されます。ここではそれぞれの駆動方式のメリット・デメリットに触れていきたいと思います。

TN(Twisted Nematic)方式

メリット:
駆動電圧とコストが低いこと、また応答速度が速いことが挙げられます。つまり、価格が安く、動きの激しい動画の再生に向いています。そのため、非常に激しい動きが求められるゲーム用のモニターに多く採用されている方式です。

デメリット
視野角による色変化・輝度変化が大きいこと。簡単に言えば、モニターを上から見たり、斜めから見た場合、画像が見えにくかったり、色が全然違うように映って見えます。

VA(Vertical Alignment)方式

メリット
コントラスト比が高いことです。つまり、LCDの中では黒色の表現が得意ということです。OLED程ではありませんが、メリハリのある鮮やかな画像を映し出します。

デメリット
応答速度が遅いことが最大のデメリットです。また、視野角による色変化・輝度変化が大きいことです。ただし、TN方式に比べると「配向分割技術(マルチドメイン)」を用いることにより大幅に改善されています。

IPS(In-Plane-Switching)方式

メリット
視野角が変わっても色変化・輝度変化があまりないことです。つまり、どのような角度から見ても正確な画像を見ることが出来ます。
また色再現性が高いため、より本物に近い画像として映し出すことができます。このことから医療現場やグラフィックデザインの仕事場で使われるケースが多いと言われます。

デメリット
VA方式に比べるとコントラスト比が低いこと、TN方式に比べると応答速度を高くしにくい点があります。ただし、応答速度については「オーバードライブ」と呼ばれる技術によりほとんど気にする必要がないレベルになっています。一番のデメリットは価格が高いことでしょうか。

モニターのスペックについて

モニターの性能を表すスペックには様々なものがあります。ここではその中でも特に重要な5つのスペックについて解説します。

①解像度
本記事の始めで触れましたが、解像度とは、「画面の精細さ」を表します。同じ大きさのモニターであれば、解像度の高い方がなめらかで精細な画像を映すことができることになります。

スペックの見方
横×縦の数字が大きいほどスペックが高いです。例えばフルHDだと1920×1080ですが、4Kだと3840×2160といった具合です。

②ビット深度(最大表示色とも)
ビット深度とは「使える色の種類」です。2020年現在最も普及しているのは1,677万色(フルカラーと呼ばれる)モニターでしょう。
ディスプレイ画素はRed、Green、Blue、光の3原色で構成されます。各カラーは0~255まで光の強さが調整でき、256段階の強弱が可能です。1色につき8bit必要であり計3色であるため「24bitカラー」なのです。
4Kモニターをはじめとする高性能モニターでは10bitを表現できるものもあり、約10億色の表現が可能となります。ビット深度が高ければ、それだけ本物と同じ色合いを映し出すことができます。

③リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、「1秒間で画面を更新できる回数」を指します。Hz(ヘルツ)という単位で表現されており、数値が高いほど高性能です。2020年時点では60Hzのものが大半です。というのも、動画は1秒間に60コマ送りができれば滑らかに見えることから、必要十分なスペックと言えるためです。しかしながら、微細な動きが重要視されるゲーム用途であれば、この限りではなく、120Hz等の「高速駆動モデル」と呼ばれるものもあります。

ちなみに、リフレッシュレートは出来れば75Hz以上のものが好ましいです。なぜならフリッカーと呼ばれる画面のチラつきが75Hz以上では見られなくなるためです。これには個人差もあるのですが、気になる方は1つの基準にしても良いかも知れません。

④色域(色再現性とも)
色域は「モニターが再現可能な色の範囲」のことです。様々な規格が定められており、それらの規格をどれだけカバーしているか、をスペックとして表記します。例えば、フォトショップやイラストレーターで有名なAdobe-Systemsが提唱する「Adobe RGB」の色空間を99%カバーできる場合、「Adobe RGB カバー率99%」と表示されます。一般的には、国際電気標準会議(IEC)が定めた国際標準規格の色域規格である「sRGB」で表示されるケースが多いです。ただし、s RGBは人間が認識できる可視領域と比べるとやや狭い色範囲であるため、フォトグラファーやデザイナー等、微細な色の差異にこだわる場合、Adobe RGBのように更に広い色範囲の規格に対応しているかどうかを判断基準にすべきだと言えます。

⑤輝度
輝度とは、その名の通り、「画面の明るさ」のことです。具体的には、1平方メートルあたりに照射される光量のことを表し、単位はcd(カンデラ)です。太陽光の下など、明るい場所で使用するには、より高い輝度が必要とされます。一般的には300cdもあれば十分とされますが、屋外で使用する場合、400から500cd程度のスペックは欲しいところです。
近年、HDR(High Dynamic Range)と呼ばれる、非常に輝度の高い機種が登場しました。人間が知覚できる輝度(Dynamic Range)は10の12乗カンデラとされますが、従来のSDR(Standard Dynamic Range)は10の3乗カンデラしか表現できませんでした。しかしHDRはSDRの100倍に当たる10の5乗カンデラまで表現可能になり、非常に広い明暗を描けるようになりました。

⑥応答速度
応答速度は、白⇒黒⇒白(または黒⇒白⇒黒)へ変化するときの速さです。単位はms(ミリセカンド)で表示され、1msは0.001秒です。この性能が低いと早い動きが求められるシーンで残像が出ます。5msが当たり前といった感じで、2ms以下だと応答速度に特化しているモデルと言えます。最近ではGTG(グレーからグレー)つまり中間色の変化で表すことが多いです。なぜなら、完全な白→黒という場面はあまりないためです。

⑦コントラスト比
コントラスト比というのは白と黒の比率です。 「1000:1」なら「1000の白に対して1の黒」という意味で、比率が高いほどメリハリがでます。一般的にVA方式の液晶では3000:1程度のものが多く、IPS方式では1000:1のものが多い印象です。

モニター選びは目的と予算が重要

一口にモニターといっても、判断基準はたくさんあります。オフィスで事務作業に使うだけであれば1万円前後のモニターでも問題ないかもしれませんし、同じ用途でも文字の滑らかさを気にするのであれば高解像度のモデルを選ぶ必要があります。ぜひモニターを購入される際は、上記のようなスペック表を比較しながら各メーカー、機種の微妙な違いを確認してみてください。そうすると、なんでこのモニターはインチが大きいのに、こっちのモニターより安いんだろう、なんて疑問に納得できる答えが見つかるかもしれません。

ここまで長文お読み頂きありがとうございました。後悔のないモニター選びの一助となれば幸いです。

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